付録

用語集

業務でよく使う用語をまとめました。「聞いたことはあるけど説明できない」状態を解消するために活用してください。

📖 読了目安 約30分 対象:すべてのエンジニア

業務別:まず押さえたい用語

「自分の業務に関係する用語」から覚えましょう。すべてを一度に覚える必要はありません。

実装(コーディング)がメインの場合

優先度用語カテゴリ特に重要な用語
最優先プログラミング変数、関数、引数、戻り値、例外、スタックトレース
最優先バージョン管理コミット、プッシュ、プル、ブランチ、PR、マージ
最優先開発工程詳細設計、実装、単体テスト
重要環境ローカル環境、開発環境、本番環境、ビルド
重要テスト正常系、異常系、テストケース

テスト実施がメインの場合

優先度用語カテゴリ特に重要な用語
最優先テストテストケース、テスト仕様書、正常系、異常系、境界値
最優先開発工程単体テスト、結合テスト、システムテスト
重要環境開発環境、ステージング環境、本番環境
重要その他バグ、回帰テスト

設計に関わる場合

優先度用語カテゴリ特に重要な用語
最優先開発工程要件定義、基本設計、詳細設計
最優先データベーステーブル、カラム、主キー、外部キー
重要WebAPIAPI、エンドポイント、リクエスト、レスポンス
重要プログラミングクラス、インスタンス

Web系(フロント/バック)の場合

優先度用語カテゴリ特に重要な用語
最優先WebAPIAPI、JSON、HTTPメソッド、ステータスコード
最優先バージョン管理Git操作全般、PR
重要セキュリティ認証、認可、XSS、SQLインジェクション
重要インフラCI/CD、デプロイ、ログ

業務システム(Java/C#等)の場合

優先度用語カテゴリ特に重要な用語
最優先データベースSQL、SELECT、INSERT、UPDATE、DELETE、トランザクション
最優先開発工程詳細設計、単体テスト、結合テスト
重要プロジェクト管理チケット、ステータス、マイルストーン
重要環境本番環境、ステージング環境

インフラ・運用の場合

優先度用語カテゴリ特に重要な用語
最優先インフラサーバー、SSH、ログ、アラート
最優先環境開発環境、ステージング環境、本番環境
重要インフラCI/CD、デプロイ、監視
重要セキュリティ認証、認可

この用語集の使い方

重要度の見方

重要度意味目安
★★★必須1ヶ月目から毎日のように使う・聞く
★★☆重要3ヶ月以内に理解しておきたい
★☆☆知識聞いたときに「何のことか」分かればOK

学び方のコツ

  • すべてを暗記しようとしない:必要なときに調べられればOK
  • 実務で出てきたら深掘り:「今日聞いた用語」を1つずつ理解していく
  • 先輩に聞く:「〇〇って何ですか?」は恥ずかしくない質問

用語詳細

用語 重要度 説明 補足
要件定義 ★★☆ 「何を作るか」をお客様と決める工程。機能一覧や業務フローを作成する 直接参加は少ないが、決まった内容を読んで理解する機会がある
基本設計 ★★☆ 画面や機能の「見た目・動き」を決める工程。外部設計とも呼ぶ 画面設計書を見ながら実装することが多い
詳細設計 ★★★ プログラムの「中身の処理」を決める工程。内部設計とも呼ぶ 詳細設計書を読んで実装するのが1年目の主な仕事
実装 ★★★ 設計書をもとにプログラムを書く工程。コーディングとも呼ぶ 1年目のメイン業務
単体テスト(UT) ★★★ 作った機能を1つずつテストする工程 自分が書いたコードのテストを担当する
結合テスト(IT) ★★☆ 複数の機能を組み合わせてテストする工程 テスト実施や不具合修正で関わる
システムテスト(ST) ★☆☆ システム全体が要件通りに動くかテストする工程 見学程度のことが多い
リリース ★★☆ 完成したシステムを本番環境に導入すること。デプロイとも呼ぶ 手順書に沿って作業する、または見学する
保守 ★☆☆ リリース後のシステムを維持・改善する作業 不具合対応や小さな改修で関わることがある
ウォーターフォール ★★☆ 要件定義→設計→実装→テストと順番に進める開発手法。大規模・堅い案件で多い SIer・受託開発で採用されることが多い
アジャイル ★★☆ 短い期間で「作る→確認→改善」を繰り返す開発手法 Web系・スタートアップで採用されることが多い
スクラム ★★☆ アジャイルの代表的な手法。役割・イベント・成果物が決まっている スプリント、デイリースクラムなどの用語とセットで覚える
スプリント ★★★ 1〜4週間の開発サイクル。「今スプリント」「次スプリント」のように使う 「このスプリントで何をやるか」を意識して動く
デイリースクラム ★★★ 毎日15分程度の短いミーティング。朝会とも呼ぶ 「昨日やったこと」「今日やること」「困っていること」を報告
バックログ ★★☆ やるべきタスクの一覧。優先順位がついている 「バックログから次のタスクを取る」という形で仕事を進める
スプリントレビュー ★☆☆ スプリント終了時に成果物を確認する会 自分の成果をデモする機会になることも
レトロスペクティブ ★☆☆ スプリント終了時の振り返り会。「KPT」形式で行うことが多い チームの改善に意見を出す機会
チケット ★★★ タスクや課題を管理する単位。Jira、Redmine、Backlogなどで管理 「このチケットお願い」と言われたら、そのタスクを担当する
ステータス ★★★ チケットの状態(未着手→作業中→レビュー中→完了など) 作業の進捗に合わせてステータスを更新する
マイルストーン ★★☆ プロジェクトの重要な節目・目標日 「〇〇マイルストーンまでに完了」という期限を意識する
WBS ★☆☆ 作業を細かく分解した一覧表 自分の担当タスクがWBSのどこに該当するか確認する
ガントチャート ★☆☆ タスクのスケジュールを横棒グラフで表したもの 全体のスケジュール感を把握するのに使う
変数 ★★★ データを入れておく「箱」のようなもの `userName = "田中"` の `userName` が変数
関数/メソッド ★★★ 処理をまとめたもの。引数を受け取り、結果を返す `calculateTotal(price, quantity)` のような形
引数(ひきすう) ★★★ 関数に渡す値 上の例では `price` と `quantity` が引数
戻り値/返り値 ★★★ 関数が返す結果 `return total` で返される値
クラス ★★☆ データと処理をまとめた「設計図」 `User` クラスから `user1` インスタンスを作る
インスタンス ★★☆ クラスから作成した実体(オブジェクト) `new User()` で作られたもの
配列/リスト ★★★ 複数のデータをまとめて扱うもの `[1, 2, 3]` や `["りんご", "みかん"]`
ループ ★★★ 処理を繰り返すこと `for`文、`while`文など
条件分岐 ★★★ 条件によって処理を分けること `if-else`文、`switch`文など
例外(Exception) ★★★ プログラム実行中に発生するエラー エラーログで「Exception」と出たら要注意
スタックトレース ★★★ エラーが発生するまでの処理の流れを示したもの どこでエラーが起きたかを特定するのに使う
null/undefined ★★★ 「値がない」ことを表す NullPointerExceptionは最もよくあるエラーの1つ
構文エラー(Syntax Error) ★★★ 文法の間違いによるエラー カッコの閉じ忘れ、セミコロン忘れなど
実行時エラー(Runtime Error) ★★☆ 動かしてみて初めて発生するエラー 0での割り算、存在しないファイルへのアクセスなど
リポジトリ ★★★ コードを保存・管理する場所 「リポジトリをクローンして」→ コードをダウンロードする
クローン(clone) ★★★ リポジトリをローカルにコピーすること 新しい案件に入ったら最初にやる作業
コミット(commit) ★★★ 変更を記録すること 「意味のある単位でコミットする」が基本
プッシュ(push) ★★★ ローカルの変更をリモートに送ること コミットしただけでは共有されない。プッシュが必要
プル(pull) ★★★ リモートの変更をローカルに取り込むこと 作業前に「プルして最新化」が習慣
ブランチ ★★★ 作業を分岐させること 「featureブランチを切って作業する」
マージ ★★★ ブランチを統合すること 作業が終わったらmainブランチにマージする
コンフリクト ★★☆ 同じ箇所を別々に変更して衝突すること 解消方法を覚えておく必要がある
プルリクエスト(PR) ★★★ マージを依頼すること。レビューを受ける単位 「PR出しました」→ レビューお願いします
レビュー ★★★ 他の人にコードを確認してもらうこと PRを出したらレビューを待つ
テーブル ★★★ データを格納する「表」 Excelの表をイメージすると分かりやすい
レコード/行 ★★★ テーブルの1件のデータ ユーザーテーブルの「1人分のデータ」
カラム/列 ★★★ テーブルの項目 「名前」「メールアドレス」などの項目
主キー(Primary Key) ★★☆ レコードを一意に識別する列 ユーザーIDなど。重複しない値
外部キー(Foreign Key) ★☆☆ 他のテーブルを参照する列 注文テーブルの「ユーザーID」など
SQL ★★★ データベースを操作する言語 SELECT、INSERT、UPDATE、DELETEが基本
クエリ ★★★ データベースへの問い合わせ 「クエリを投げる」= SQLを実行する
SELECT ★★★ データを取得するSQL 最もよく使う。まずこれを覚える
INSERT ★★☆ データを追加するSQL 新規登録処理で使う
UPDATE ★★☆ データを更新するSQL 編集処理で使う。WHERE句を忘れると大事故
DELETE ★★☆ データを削除するSQL WHERE句を忘れると全件削除。要注意
トランザクション ★★☆ 複数の操作をまとめて扱う仕組み 「全部成功」か「全部失敗」かを保証する
API ★★★ プログラム同士がデータをやり取りする仕組み 「このAPIを呼び出してデータを取得する」
REST API ★★☆ APIの設計スタイルの1つ。HTTPメソッドを使う GET、POST、PUT、DELETEでCRUD操作
エンドポイント ★★★ APIのアクセス先URL `/api/users/123` のような形式
リクエスト ★★★ APIへの要求 「こういうデータをください」という依頼
レスポンス ★★★ APIからの応答 要求に対する返答データ
JSON ★★★ データ交換フォーマット。`{"name": "田中"}` の形式 APIのやり取りはほぼJSON形式
HTTPメソッド ★★☆ リクエストの種類(GET/POST/PUT/DELETE) GET=取得、POST=作成、PUT=更新、DELETE=削除
ステータスコード ★★★ APIの結果を示す3桁の数字 200=成功、400=リクエスト不正、404=見つからない、500=サーバーエラー
ヘッダー ★★☆ リクエスト/レスポンスの付加情報 認証トークンやContent-Typeなど
テストケース ★★★ 「何を」「どうやって」「どうなればOKか」を記載したもの テストケースに沿ってテストを実施する
テスト仕様書 ★★★ テストケースをまとめた文書 これを見ながらテストを進める
正常系 ★★★ 想定通りの入力でのテスト 「普通に使ったら動くか」を確認
異常系 ★★★ 想定外の入力でのテスト 「おかしな入力をしたらどうなるか」を確認
境界値 ★★☆ 範囲の境界でのテスト 「0〜100」なら、-1、0、1、99、100、101をテスト
回帰テスト ★★☆ 修正後に他の機能に影響がないか確認するテスト 「直したら別のところが壊れた」を防ぐ
単体テスト(ユニットテスト) ★★★ 関数やメソッド単位のテスト。コードで書くことが多い 自分のコードにテストを書く
結合テスト ★★☆ 複数の機能を組み合わせたテスト 画面から操作して確認することが多い
ローカル環境 ★★★ 自分のPCの環境 自由に実験できる。壊しても影響なし
開発環境(dev) ★★★ 開発チームが共有する環境 他の人も使っているので、壊すと迷惑をかける
ステージング環境(stg) ★★☆ 本番に近い確認用環境 本番リリース前の最終確認に使う
本番環境(prod) ★★★ 実際にユーザーが使う環境 **絶対に慎重に**。ミスは許されない
IDE ★★★ 統合開発環境。Visual Studio、IntelliJなど エディタ+デバッガ+ビルドツールがセット
ビルド ★★★ ソースコードを実行可能な形に変換すること 「ビルドエラー」が出たら動かない
デプロイ ★★☆ アプリを環境に配置すること 「開発環境にデプロイする」など
認証(Authentication) ★★★ 「あなたは誰か」を確認すること ログインで「本人確認」をする
認可(Authorization) ★★★ 「何ができるか」を制御すること ログイン後に「この機能を使える権限があるか」を判断
セッション ★★☆ ログイン後の状態を維持する仕組み ログアウトするとセッションが切れる
トークン ★★☆ 認証情報を表す文字列 APIアクセス時にヘッダーに付けて送る
XSS ★★☆ Webページに悪意のあるスクリプトを埋め込む攻撃 ユーザー入力を画面に表示する際に注意
SQLインジェクション ★★☆ SQL文を不正に操作する攻撃 ユーザー入力をSQLに埋め込む際に注意
CSRF ★☆☆ ユーザーになりすまして操作を行う攻撃 フォーム送信時にトークンで防ぐ
サーバー ★★★ サービスを提供するコンピュータ 「サーバーにSSHで接続する」など
クラウド ★★☆ インターネット経由で利用するコンピュータ資源 AWS、Azure、GCPなどが代表的
オンプレミス ★☆☆ 自社で管理するサーバー環境 クラウドの対義語として使う
コンテナ ★☆☆ アプリと依存関係をまとめた実行環境 Dockerで作る。「コンテナを起動する」
SSH ★★☆ サーバーに安全に接続するプロトコル ターミナルからサーバーに入るときに使う
CI(継続的インテグレーション) ★★☆ コード変更時に自動でビルド・テストする仕組み PRを出すと自動でテストが走る
CD(継続的デリバリー/デプロイ) ★★☆ 自動でリリース可能な状態にする仕組み mainブランチにマージすると自動デプロイ
パイプライン ★☆☆ ビルド→テスト→デプロイの自動化フロー 「パイプラインが失敗した」= ビルドかテストがエラー
ログ ★★★ システムの動作記録 エラー調査のとき最初に見る
監視(モニタリング) ★☆☆ システムの稼働状況を監視すること 異常があればアラートが飛ぶ
アラート ★★☆ 異常を検知して通知すること 「アラートが鳴った」= 何か問題が起きた
障害対応 ★★☆ システムに問題が発生したときの対応 1年目は先輩のサポート役から始める
バグ ★★★ プログラムの不具合 「バグを見つけた」「バグを直す」
デバッグ ★★★ バグを見つけて修正すること 開発者の重要なスキル
リファクタリング ★★☆ 動作を変えずにコードを改善すること 読みやすく、保守しやすくする
レビュー ★★★ 他者にコードや成果物を確認してもらうこと PRレビュー、設計レビューなど
技術的負債 ★☆☆ 将来の開発効率を下げるコードや設計 「負債を返す」= リファクタリングする
PoC ★☆☆ 技術検証。実現可能性の確認 「まずPoCをやってみよう」
オンボーディング ★☆☆ 新メンバーがチームに慣れる過程 「オンボーディング資料」など
1年目のポイント(バージョン管理):`clone` → `branch作成` → `commit` → `push` → `PR作成` の流れを体で覚える。詳しくは Gitの基礎 を参照。
1年目のポイント(データベース):UPDATE/DELETEは本番環境で絶対に直接実行しない。必ずテスト環境で確認してから。詳しくは データベースの基礎 を参照。
1年目のポイント(テスト):「正常系」だけでなく「異常系」「境界値」もテストする習慣をつける。詳しくは テストの進め方 を参照。

用語を覚えるコツ

1. 実務で出てきた用語から覚える

すべてを事前に覚えようとせず、今日聞いた用語を1つずつ理解していきましょう。

2. 先輩に聞く

「〇〇って何ですか?」は恥ずかしい質問ではありません。分からないまま進めるほうが問題です。

3. 自分の言葉で説明してみる

用語を覚えたら、誰かに説明できるか試してみましょう。説明できれば本当に理解しています。

4. 関連する用語をセットで覚える

  • Git関連:clone → branch → commit → push → PR → merge
  • テスト関連:正常系・異常系・境界値
  • 工程関連:設計 → 実装 → テスト → リリース

さらに学びたい人へ

分野学ぶべき追加用語学習リソース
Web系DOM、SPA、SSR、WebpackMDN Web Docs
データベース正規化、インデックス、JOINSQLチュートリアル
インフラKubernetes、Terraform、マイクロサービス各クラウドのドキュメント
セキュリティOWASP Top 10、ペネトレーションテストOWASP公式サイト
1年目のポイント:この用語集の「★★★」と「★★☆」を理解していれば十分です。焦らず、着実に語彙を増やしていきましょう。