第4部:実務スキル / 第1章:案件開始

案件に入ったら最初にやること

新しい案件に参加するとき、最初の1週間でやるべき準備について学びます。焦らず、1つずつ確認していくことが大切です。

📖 読了目安 約15分 対象:案件参加直後の方

最初の1週間でやること

新しい案件に参加したとき、最初の1週間の流れを図で示します。

flowchart LR
    A[1日目] --> B[2-3日目]
    B --> C[4-5日目]

    A1["全体像把握
環境構築開始"] --> A B1["環境構築完了
コード理解"] --> B C1["小さなタスク
に着手"] --> C

最初の1週間タイムライン(サンプル)

やること完了の目安
1日目キックオフ、自己紹介、環境構築開始開発PCが届く、チャットに参加
2日目環境構築、ドキュメント確認ローカルでアプリが動く
3日目コードベースを眺める、質問リスト作成主要なファイルの場所を把握
4日目小さなタスクをもらう、着手既存コードを参考に修正開始
5日目タスク続き、レビュー依頼最初のPRを出せればベスト

ポイント

1週間で完璧に理解する必要はありません。「分からないことを整理して質問できる状態」になればOKです。

1. プロジェクトの全体像を把握する

確認すること

項目確認内容
目的何のためのシステムか、誰が使うのか
規模どのくらいの規模か、チーム構成は
スケジュールいつまでに何をするのか
自分の役割何を担当するのか

確認方法

  • プロジェクト計画書を読む
  • 上司や先輩に聞く
  • キックオフ資料を確認する

2. 技術スタックを理解する

確認すること

項目
プログラミング言語Java、C#、JavaScript など
フレームワークSpring、.NET、React など
データベースMySQL、PostgreSQL、SQL Server など
バージョン管理Git、SVN など
開発ツールVisual Studio、IntelliJ など

やること

  • 使ったことがない技術があれば、基礎を調べる
  • 公式ドキュメントのGetting Startedを試す
  • 先輩におすすめの学習リソースを聞く

3. 開発環境を構築する

手順

  1. 環境構築手順書を入手する
  2. 手順書に従って環境を構築する
  3. サンプルを動かして動作確認する
  4. 困ったら先輩に聞く

注意点

  • 手順書通りにやってもうまくいかないことがある
  • エラーメッセージをメモして質問する
  • 自分で解決できたら手順書に追記する

環境構築でよくあるエラーと対処法

エラー原因の可能性対処法
コマンドが見つからないパスが通っていない環境変数を確認、ターミナル再起動
ポートが使用中他のアプリが使っている該当アプリを終了、または別ポートを指定
権限エラー管理者権限が必要管理者として実行、または権限を付与
依存パッケージのエラーバージョンの不一致手順書のバージョンを確認、キャッシュをクリア
DBに接続できない設定ミス、DB未起動接続情報を確認、DBサービスを起動

環境構築で詰まったときの相談テンプレート

環境構築で詰まっています。

■ やろうとしていること
手順書の「〇〇をインストール」の手順

■ 実行したコマンド
npm install

■ エラーメッセージ
(エラー全文をコピペ)

■ 試したこと
1. キャッシュをクリアした → 変わらず
2. Node.jsのバージョンを確認 → v18.0.0

■ 環境
OS:Windows 11
Node.js:v18.0.0

何か確認すべき点はありますか?

ポイント

環境構築は1年目でなくても詰まることがあります。半日〜1日を目安に、解決しなければ相談しましょう。

4. コードベースを理解する

確認すること

  • ディレクトリ構成
  • 主要なクラス・ファイルの役割
  • 処理の流れ(エントリーポイントから追う)

やり方

  1. まずREADMEを読む
  2. ディレクトリ構成を眺める
  3. 簡単な機能を1つ選んで処理を追う
  4. デバッガで動かしながら理解する

システム把握のコツ:段階的アプローチ

最初から全部を理解しようとしないことが重要です。

Step 1:ざっくり把握

  • すべてを暗記しようとしない
  • 「どこに何が書いてあるか」を知っておく
  • 資料をざっと眺めて全体像をつかむ
  • 分からなくても場所だけ覚えておく

Step 2:より詳しく把握(必要になったら)

  • アーキテクチャ図やユースケースを確認
  • データモデル(ER図)を確認
  • API仕様やインターフェースを確認
  • コードとドキュメントを照らし合わせる

ドキュメントがない場合の対処法

  1. 実際にシステムを動かして観察する
  2. ログを確認して処理の流れを追う
  3. テストコードを読む(期待される動作が分かる)
  4. チームメンバーに聞く

5. ドキュメントを確認する

確認すべきドキュメント

ドキュメント内容
設計書システムの設計
コーディング規約コードの書き方ルール
開発ルールブランチ戦略、レビュールールなど
議事録過去の決定事項

置き場所を確認

  • 共有フォルダ
  • Wiki
  • チケット管理ツール
  • チャットツール

コミュニケーションの準備

チームメンバーを把握する

  • 誰が何を担当しているか
  • 困ったときに誰に聞けばいいか
  • 報告・相談の相手は誰か

ツールを使えるようにする

種類
チャットSlack、Teams、Chatwork
チケット管理Jira、Backlog、Redmine
ドキュメントConfluence、Notion、SharePoint
会議Zoom、Teams、Meet

定例会議を把握する

  • 朝会(デイリースクラム)
  • 週次ミーティング
  • レビュー会

最初の1ヶ月でやること

小さなタスクから始める

  • いきなり大きなタスクは担当しない
  • 簡単なバグ修正や小さな機能追加から
  • 分からないことは聞きながら進める

質問しやすい関係を作る

  • 積極的に挨拶・声かけをする
  • 教えてもらったらお礼を言う
  • 自分が学んだことを共有する

メモを取る習慣をつける

  • プロジェクト固有の用語
  • 決まりごと、ルール
  • 困ったことと解決方法

質問リストのテンプレート

案件に入ったら、以下のテンプレートを使って質問事項を整理しましょう。

〇〇プロジェクト 質問リスト

環境・ツール

コミュニケーション

開発ルール

タスク管理

技術面

その他

使い方

このリストを最初に確認し、分かったことはチェック、分からないことは質問しましょう。

よくある失敗と対策

失敗対策
環境構築で1週間以上かかる早めに相談する、期限を決める
ドキュメントを読まずに作業開始まず関連ドキュメントを確認
分からないまま作業を進める疑問点は早めに質問
自分の担当範囲が不明確最初に確認する

まとめ

案件に入ったら、まず以下を確認しましょう。

  1. プロジェクトの全体像:何を作るのか、自分の役割は何か
  2. 技術スタック:使う技術、学ぶべきこと
  3. 開発環境:動く環境を作る
  4. コードベース:既存のコードを理解する
  5. ドキュメント:設計書、ルールの置き場所

焦らず、1つずつ確認していきましょう。


関連ページ